プレス金型用CAD/CAMシステム株式会社 ワイジェーエス
『製造業に向かう若い皆さん方に』2003年5月2日 皆さん、こんにちは。私は、日本で「潟純Cジェーエス」という会社を経営しております吉田といいます。皆さんの大学は、韓国のちょうど真ん中にありますが、私達の会社も日本のちょうど真ん中にあります。韓国の真ん中は太田市ですが,日本のちょうど真ん中には愛知県というところがありまして、私達のいるところはその愛知県の中の犬山市という所です。 2003年 元旦 謹賀新年
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ネット社会を考える
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ともに伸びる
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『IT基盤の金型産業の現況と展望』
潟純Cジェーエス 代表取締役 吉田 三郎
| 1. は じ め に 金型産業は、自動車、家電を中心とした大規模市場に対し系列を形成して栄え、高度成長を支えてきた。しかし、1990年代からのグローバリゼーションにより、昨今は製造業自体の大変革を余儀なくされている。生産拠点の海外流出により、競争力を維持するためのコストダウン要求が一段と強まってきた。国際競争にさらされる中、系列が崩れ始め、金型メーカ同士の価格競争も激化しているのが現状である。 とはいえ、こうした厳しい環境下においても、高品質の確保、短納期対応のため、新技術の導入とさらなるコスト削減の努力により競争力を維持している。そして、製造業における金型の重要性を認識し、IT技術を積極的に活用した設計製作体系の再構築を進めている。 図1は金型メーカにおける機械統計と工業統計による2種類の生産額の推移を示したものである。工業統計とは従業員が4人以上の企業の統計であり、機械統計とは従業員が20人以上の企業の統計である。これによれば、現在の金型生産額は、工業統計では1兆9000億円ほどであり、一方機械統計では約4500億円である。 生産額は1991年がピークであったが、その後バブルがはじけて経済が悪化し、生産額が落ちてきた。金型産業にとって厳しい環境下に置かれている。 この二つの統計から、従業員数の少ない金型メーカの生産額が非常に高いウェイトを占めるということ、つまり金型産業は零細な金型メーカで成り立っていることが判断できる。 2. 金型メーカの課題 さて、金型メーカは具体的に次の三つの項目に課題をもっていると考えられる。 一番目は消費の冷え込みにより、なかなか商品が売れない時代を迎え、海外への生産シフトなどの要因もあって、製造業自体の活気が落ち込んでいるという課題に直面していることである。 二番目は1960年頃に企業を設立し、製造業を支えてきた経営者が年をとられて、「世代交代」の時期を迎えているという課題がある。若い人達に経営をバトンタッチしなければならない時期を迎えている。 三番目に技能の伝承に関する課題がある。金型は、高精度なNCマシンの活用と熟練技能が結集して生み出されている。かつて独立創業された金型職人は、個性に富み、仕事に情熱を持ち、希望や夢を持たれていた。そういう人達の情熱を若い人たちが引き継いで熟練技能を伝承していくことが大事である。しかしそれが危ぶまれている。 金型産業がメジャーでないという点は、商品が作られる過程を考えてみると納得できる。 商品が市場に出回るまでの一般的な過程は図2に示すように、企画、設計工程を経て、必要な構成部品が製造され、組立られるという流れを形成している。一方、金型は製品の構成部品を成形する道具、工具にすぎない。いわば影に隠れて間接的に部品生産に携わるという工程にある。金型産業は製造業の基幹とはいうものの表舞台には出てこない。しかし、部品の生産と供給にはどうしても金型が必要で、重要な技術には違いない。 3. 金型メーカの対応 そこで金型メーカの取るべきこれからの姿勢について、幾つかの項目を考えてみる。 一つは熟練した技能者が高齢化してきたので、技能を継承できる人材の育成が必要である。熟練技能をCAD/CAMや高機能なNCマシンの活用技術に置き換えるためのマニュアル化やデータベースの構築が必要である。 そして非常に利益率が低い産業と化しているので、コストを正確に管理した経営体質への改善が必要である。金型産業がメジャーでないという点に対しては、広報産業館を利用するなどして、金型産業を認知してもらいメジャー化する工夫も必要であろう。 また、金型産業を形成する零細な企業では、欠ける営業力を強化していくことも必要である。 IT・インターネットの積極的な活用により、情報技術を高度に利用した設計製作工程の構築も必要になってくる。特に低コスト化とともに、多品種少量生産指向で、新製品の開発期間が短くなっているので、生産サイクルに追従できるスピード化対応も不可欠である。IT化社会はまさにスピード時代といわれるが、金型の設計製作に関しても、まずスピード対応出来なければならない。ITの導入や活用、CAD/CAMとNCマシンを駆使できる濃密なハイテク化による高品位、高効率な設計製作対応の形成が要求される。 設計段階での成形シミュレーション、機能チェック、図面レスでの加工対応、モデル成形ラピッドプロトタイピングの活用などもその一旦である。 インターネットを活用して国境を越えたグローバルな金型製作が行なわれている。独創的なアイデアを創造するために、異業種間での協同作業ということも必要になってきている。 これらの体制を考えれば、金型産業は情報武装による新たな生産システムの形成に向けた変革期を迎えているといえる。特に生産拠点の海外流出に加え、海外からの技術の追い上げがあり、需要は減少してきてはいるが製造業を支える非常に重要な位置付けにあると考える。 最近の金型メーカは、それぞれの企業が持つ独自な技術を金型に反映して非常に特徴ある、差別化した金型製作の追求に特化している。例えば、寸法的に超高精度な微細部品の成形金型生産とか、他社では製作が困難な部品成形金型の設計や製作技術をもちあわせていないと生き残れないという状況にある。 こうした企業スキルは、金型製作のための技能、Know-How、勘とかコツとか感性という職人の技能(いわゆる匠の世界)と、CAD/CAMとなどのハイテクな装置を高度に利用し、ハイテクな機械を駆使できる技能との融合(スーパー匠の世界といわれる)を形成して、高度で特殊な金型を作り上げているという段階へ到達している。 得意技を生かした、特に「超」の付く金型、「超精密」「超複雑」「超大型」に特化した分野での金型メーカの存在が製造業を支えている。そのベースにあるのが人材であり、CAD/CAMシステムであり、ハイテクなNCマシンであり、ITの活用であろう。 その他の課題も幾つか存在する。今、品質が高くて環境対策のある商品が必要とされている。例えば重いモノは軽く、四角いモノは丸く、金属とプラスチックが分別しやすい製品が求められている。そして安全性が重視されている。人にやさしいといった環境対策をとる必要もある。 技術的には新材料の成形技術の確立や、加工法を工夫した新しい技術も生れている。プレスと鍛造と併用する金型技術も一般化してきた。新しい商品を開発したり、新しい加工法を作り上げていくという独創技術の開拓に取り組んでいる。 4. ネットワークの構築体系 金型の発注企業の製造プロセスでは、CAD/CAMによる3次元ソリッド生成データがベースになっており、このデータを直接金型メーカに転送して金型の製作依頼が行なわれる。かつては設計された製品やその構成部品の図面を供給し、それに基づいて金型製作の依頼があったわけであるが、最近はCADデータの保存メディアを直接提供して業務を依頼している。 金型メーカは、まずこうした金型の発注企業の製造プロセスと一体化する必要がある。特にソリッドのCAD/CAMで三次元データを提供するため、金型メーカはこの三次元データを受け取れる能力が要求される。このプロセスの一体化によって設計時間を短縮し、設計のミスを防止し、トライの回数を減らして、スピード対応が可能となる。 このように金型メーカでは、グローバルでスピーデイな対応の展開できるネットワークの構築とともに、設計段階から情報化体制をとる段階に到達している。 パソコン(PC)の性能が大幅にアップしたことで、金型メーカではPCベースのCAD/CAM活用が一般的である。低価格なシステムは、ますます金型製作に必要不可欠なツールとなり、図面を描くと言う言葉が死語となる時代が近い将来到来するであろう。 金型メーカにおけるネットワークの構築事例を図3に紹介する。 通常、PCシステムを用いた金型の設計業務の全容は、構想(レイアウト)設計と構造(プレート、穴配置)設計により、いわゆる金型の全様設計(CAD)が行なわれる。この設計業務に加え、NCデータの編集作業(CAM)がプラスされる。構造設計は分業することもあるが、構想設計の分業は現実的には困難であろう。この活用例では、複数台のシステムをCADとCAMのそれぞれの業務に分業して活用し、一連の業務の効率化と納期短縮効果を引き出している。 金型製作工程を10とすれば、設計が3、機械加工が4(データ作成が1〜1.5、その他は加工時間)、組立が2、調整が1という工程区分である。CAMシステムの利用時間は、CADシステムの利用時間より短いため、MCとWCへの共用対応が可能である。 CADとCAMの業務の分業化において、重要なポイントは共有データの管理体制である。CAD/CAM活用の最大の利点は生成データを共有しての全体業務の効率化である。 この例では、CAD/CAMで生成されたデータはDATAServerで一括管理し、いつ、誰が、どこででも自由に活用できる環境を提供している。 CAD/CAM生成データ以外に、加工設定データベースも全てこのDATAServerに置き、PCとNCマシンをもリンクしたネットワークの構築で、共有データを効率良く活用した業務体系につながっている。 5 金型メーカのIT活用 さて、金型メーカの具体的なIT活用について考察する。 図4は金型メーカのHPの開設状況である。検索エンジン「Yahoo!」によれば、1996年の10月、わずか32社のHPの開設が確認されているが、その後開設数は右肩上がりに増大し、最近では約600社が開設している。 受発注関係でのインターネット利用では、e-メールで図面データを渡したり、問い合わせや、見積り、納期の確認連絡などが日常的に行なわれている。 金型メーカの開設するHPの構成内容を見ると、会社案内、営業案内、設備紹介、求人案内が掲載されている。最近は、企業の技術力のPRが前面に出て、成形製品の写真掲載などにより、企業の独自な技術力のアッピールが目に付く。小さな金型メーカが単独でHPを開設するだけでは非効率であり、ポータルなサイトを利用してHPのリンクを張ったり、幾つかの金型メーカが共同でHPを開設してバーチャルな工業団地を形成し、企業の集合体による総合的な技術サポート力のPRで、仕事の受発注の窓口にするという活用の手法もある。こうしたポータルなサイトが個々の金型メーカをサポートして、情報交換の場を提供している。広く業界を超えて関係企業や地域に存在する企業が集まって、仕事を共同で受けたり情報を交換したりするネットワークが構築されている。 一方、金型を製作するNCマシンのメーカサイドでもIT化への取り組みが活発である。 マシンを制御するコンピュータをインターネットに接続して、離れた所からの機械の監視・操作・オフライン技術サポートなどができる機能を組み込んでいる。 金型メーカは一般に、自動車なら自動車、電気なら電気と対象部品を特化して金型づくりを行っているが、そうした垣根を取り払い、他の金型メーカで製作された様々な種類の金型でも修理、改造に応じるという業務を開始した企業も出現した。これまでは他メーカで作られた金型に手をつけることはいわばタブーでもあったが、その手段にe-メールやFAX、ITを活用してそれを打ち破る新しいアイデアを打ち出している。 金型メーカIT活用に関するグローバルな視点での動向も見受けられる。金型(やその構成部品)も今や世界中で調達されている。スピード時代といわれる昨今、金型の部品調達やメンテナンスにも迅速な対応が必要であり、世界中の色々な拠点との大きなネットワークを張った情報交換は不可欠である。そして、ネットワークに対応した規格の統一化に向けた取組みも必要である。 6 お わ り に このように金型メーカでは、ITを社内的に、或いはネットワークの中でさまざまな形態で活用している事例が見受けられる。 今までは、設計に関してはコンピュータを使ったCADを、加工に関してはNCマシンを駆使するという処理業務のハイテク化が行われてきたが、これからはそうしたシステム、マシンの活用がグローバルなネットワークの中で展開されていくと思う。 産業内外で情報交換がますます必要になっていく中、インフラの整備はどんどん進んでいくが、金型の設計製作を指導してきた技能者が高齢化しているということもあり一線から遠ざかりつつある。これからは若い人達に、金型に限らず広く<モノづくり>に関して興味を持ってもらい、新しい形での製造業の構築に携わってリードしていっていただきたいと考えている。 |